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東海大菅生―国士舘 国士舘の先発・鎌村=2025年7月27日午前9時23分、神宮、中村英一郎撮影

(27日、第107回全国高校野球選手権西東京大会準決勝 東海大菅生5―0国士舘)

 相手の校歌を聞きながら、国士舘のエース鎌村曜平(3年)は、天を仰ぎ涙した。「つなぐことができなかった」

 「任されるエース」に成長した夏だった。3回戦でシード校の国学院久我山と対戦すると、延長10回完投。タイブレークで、無死満塁のピンチをしのぎ、サヨナラ勝ちに導いた。

 その後は全試合に登板。流れを呼び込む投球で、5戦連続逆転勝ちの原動力になった。

 準決勝は今大会無失点の東海大菅生。序盤に点差をひろげられたくないと、箕野豪監督から先発に指名された。前半、内角への直球を中心に3者連続三振を奪うなど、期待通りの投球を見せた。だが、球威の落ちた終盤、失策も絡み突き放された。

 帽子のつばには「繫(つな)ぐ」と書いてある。昨夏、引退した先輩からもらった言葉だ。「次の試合につなぐ。仲間にいい形でつなぐ」

 決勝進出は逃したが、箕野監督は「よく投げてくれた。精神的にタフになった」とねぎらった。今大会投じた計647球は信頼の証し。その姿は、後輩たちにつなぐ。

=神宮

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